第349章 佐藤奈須を闇市へ行かせる

他人から見れば、中平記由は確かに彼女の子分のように映るかもしれない。だが彼自身は、最初の頃こそ横柄に振る舞っていたものの、その後は地に足を着けて真面目に働いていた。

彼が今日ここまで来られたのは、完全に彼自身の実力によるものだ。

いずれは中平記由が単独で一つの子会社を任されるだけの実力を身につけるかもしれない。その時になれば、彼もまた最も頼もしい右腕となるだろう。

「七海ちゃん」

その時、吉田陽斗がドアを押し開けて入ってきた。手には検査報告書を握りしめ、その表情は極めて険しい。

「君に盛られた毒の成分が判明したよ。これを見てくれ」

言いながら、吉田陽斗は早足でベッドサイドへ歩み寄...

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