第351章 黒衣の男

突然、鈴木七海がぱちりと目を開けた。

その氷みたいに冷たい視線とぶつかった瞬間、相手はあからさまに動揺し、手にしていた試薬を取り落として床にぶちまける。

信じられない、という顔で七海を見据えた。

「お、おまえ……寝てなかったのか?!」

鈴木七海はベッドから素早く上体を起こし、冷笑を浮かべて相手を見下ろした。

「寝てたら、どうやってあんたを捕まえるの」

相手の胸がひくりと跳ねた。罠だったと悟ったのだろう、真っ先に窓へ駆ける。

だが、窓枠に手をかけて飛び降りようとした、その瞬間。

鈴木七海が一気に距離を詰め、後ろ襟をつかんだ。

どんっ、という鈍い音。男の身体が床に叩きつけられる...

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