第358章 松坂利之の血痕

上村愛美が望むなら、白崎政光の干渉をきっぱり断ち切る手助けだってできる。そうすれば、白崎政光がこの子を自分の子だと気づくこともない。

愛美ちゃんと一緒に、この子を育てていくことだってできる。

どんなことがあっても、上村愛美をひとりで戦わせたりしない。

ひとりで妊娠する苦しさを、七海は知っている。だから友だちに、同じ痛みを味わわせたくなかった。

上村愛美は俯き、整った顔に迷いと葛藤が浮かぶ。

「正直、わたしもどうしたらいいのか分からないの。この子は、完全に想定外だった。生まれたあと、どんな目に遭うのかも分かってる。でも……七海ちゃん」

そこで上村愛美はふいに鈴木七海を見上げた。瞳の...

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