第359章 御手洗での対話

そのあと、彼は鑑定結果の書類を彼女の手に渡した。

「小川和真があの血痕を鑑定した。松坂利之のものに間違いない」

愛美ちゃんのことばかり考えていて、こんな大事な件まで頭から抜け落ちていたなんて。

鈴木七海は胸の奥がひやりとして、急いで鑑定書に目を通す。読むほどに表情が硬くなった。

「……これって、松坂利之はあの時ケガをしてたってこと? 急に姿を消したのと関係あるんでしょうか」

佐藤奈須は首を横に振る。

「まだ断定できない。ただ、西南軍区のほうには人を回して探りを入れてる。新しい手掛かりが出るかは……正直、読めないな」

鈴木七海は小さくうなずいた。

西南軍区は利権が絡んで勢力図も...

ログインして続きを読む