第368章 英雄が美人を救う

「寒川さん。賢い人って、何がいちばん怖いか知ってます?」

寒川行雄は一瞬、言葉を失った。佐藤奈須が何を言いたいのか、まるで掴めない。

佐藤奈須は遠くにいる鈴木南へ視線を投げ、口元に嘲りを滲ませる。

「いちばん怖いのはさ……味方がバカなくせに、やたら親切で助けたつもりになって、しかも全部が余計なお世話ってやつだ」

寒川行雄の顔が、かっと熱くなる。

羞恥に耐えきれず、うつむいた。反論なんてできるはずもない。

今回に限っては、確かに自分が悪い。あの女が鈴木七海と因縁があると知っていたなら、絶対に手なんか貸さなかったのに。

しかも佐藤奈須に、こんなふうに笑いものにされる隙まで与えてしま...

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