第370章 黒田蓮が負傷

黒田蓮はこくりとうなずいた。

ほどなくして、外から司会者の声が響く。

「それでは続きまして、本校卒業生の優秀代表にご登壇いただき、ご挨拶をいただきます!」

鈴木七海は黒田蓮のネクタイを整えてやり、彼と並んで舞台袖を出た。

七海はそのまま客席へ向かい、席に落ち着いたころには、黒田蓮が壇上に立っていた。

溌剌としていて、かつて黒田家の人間に痛めつけられ、やせ細っていた面影など欠片もない。

いまの黒田蓮は格好よく、優秀で――誰もが憧れる存在だった。

鈴木七海は胸の奥が誇らしさで満ちるのを感じる。

弟はすでに研究チームの一員だ。あの頭の切れなら、これから先の未来だって明るいに決まって...

ログインして続きを読む