第373章 嫉妬

宗林有香とは別に香り立つほどの因縁があるわけでもない。なのに、どうしてあそこまで露骨に嫌われるのか。

「あらやだぁ、ほんとごめんなさぁい、愛美ちゃん姐。晓晓、手が滑っちゃって、お菓子落としちゃったの。愛美ちゃん姐、どうか怒らないでぇ」

謝罪の言葉とは裏腹に、その目には一片の申し訳なさも宿っていない。

上村愛美はそこに剥き出しの敵意を読み取りながらも、表情は崩さず、にこやかに口を開いた。

「いいよ。ただの差し入れだし。落ちたなら仕方ない。あとで食べたくなったら、また何箱か買わせるから」

そう言って、上村愛美はすっと腰を下ろした。

宗林有香はその場に立ち尽くしたまま、憎々しげに睨みつ...

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