第377章 親友のために憂さを晴らす

鈴木七海は腕を組んだまま、座る気など微塵もない様子で、宗林有香を冷ややかに見据えていた。

その視線に射抜かれ、宗林有香は背筋が凍る。胸の底がふっと軽くなって、逆に足元がぐらついた。

――何か、大事なことを忘れている。

何だっけ。いったい……。

「……あんたが宗林有香?」

唐突に名を呼ばれ、宗林有香はびくっと肩を跳ねさせ、慌てて背筋を伸ばす。

「は、はい。鈴木社長、宗林有香です。ただ……鈴木社長、どうしてわたしの名前を……」

「鈴木社長、俺のことはご存じですか?」

横にいた男が、恐る恐る自分を指さした。

だが鈴木七海は一瞥すらくれない。宗林有香だけを見つめ、目の奥に霜でも張り...

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