第385章 今は昔と違う

それだけじゃない。水面下では、別の勢力が彼女に狙いを定めていた。

今のうちに余計な火種を潰しておかなければ、いずれ必ず禍根になる。

近いうち、彼女は自分で西南軍区へ行く必要もある。

周りの人間を巻き込まないためにも、危ない芽は一本たりとも残せない。

……

「お兄ちゃん、遅いよ! 何かあったのかと思って、探しに行こうとしてたの!」

「お兄ちゃん、顔色悪すぎ……大丈夫?」

婚約披露宴の会場に戻った中村陸へ、中村楓が待ちきれないとばかりに小走りで駆け寄ってきた。

人前では中村楓は中村陸を名前で呼ぶ。だが二人きりになると、昔の呼び方に戻るのだ。

中村陸は疲れた眉間を指で揉み、無理に...

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