第398章 誘拐を認めない

中村陸の自信の拠り所は、誰の手にも自分が中村信と手を組んでいた証拠がない、という一点だった。

鈴木七海に知られようが構わない――そう思っていた。

だが、鈴木七海が次に取り出した数枚のコピーを目にした瞬間。

中村陸の強がりは、あっけなく崩れた。

彼は反射的に背筋を正し、コピーをひったくるように奪い返すと、信じられないといった顔で問い詰める。

「……どこで手に入れた。いや、違う。全部偽造だろ、こんなの」

証拠は確かに、すべて処分した。中村信にすら知られていない。なのに、なぜ鈴木七海が持っている。

鈴木七海の持つ資料は主に中村信の罪状を固めるものだった。だが、その中に中村陸の影が一つ...

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