第411章 佐藤奈須の昏睡

賀数安紀がついさっき仕上げた治療プランは、次の瞬間には黒田蓮の手の中で、ただの紙くずになっていた。

びりびりに裂かれた紙片がぱらぱらと舞い、二人がドアを開けた拍子に冷たい風が部屋へ吹き込む。破片はさらに散らばり、もう二度と元に戻せないほどぐしゃぐしゃになった。

鈴木七海がその光景を目にした瞬間、黒田蓮の顔に一瞬だけ気まずさが走る。だがすぐに表情を固め直し、無言で紙片をゴミ箱へ放り込み、七海と賀数安紀の顔色から目をそらした。

やることだけ終えると、くるりと背を向けて枕に顔を埋める。布団を引き上げ、そのまま頭まで隠して眠るつもりらしい。

「黒田蓮」

今度は鈴木七海が深く息を吸い込み、は...

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