第412章 彼に付き添ってゆっくり休む

担架は護送役に囲まれたまま、機内から押し出され、そのまま車内へ運び込まれた。

車の中でその光景を見た鈴木七海は、心臓が氷の底へ沈むような感覚に襲われる。

「どういうことですか。いつ意識を失ったんです? どうして私に知らせなかったんですか」

付き添いの医師は肩をすくめるように、顔を赤くして早口で説明した。

「佐藤さんは数日前に重傷を負われました。会社には一切伝えるな、と……。応急処置だけして、帰国を決めたんです」

――あのときだ。

佐藤奈須が平静を装って、鈴木七海に連絡してきたのは。

七海が電話越しに感じた弱々しさは、気のせいなんかじゃなかった。あのときの佐藤奈須は、深手を負った...

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