第415章 寒川行雄失踪

F市に着いてからというもの、提携交渉は鈴木七海の想像以上に順調だった。

寒川政彦は聖生グループに悪感情など持っていない。むしろ将来性を買っている節さえある。

七海が意図的に実力と資金力を示し、外に出回る噂を事実で叩き潰してみせると、政彦のほうから次の段取りを切り出してきた。

鈴木七海は、ようやく胸を撫で下ろす。

ここまで積み上げてきた努力は無駄じゃなかった。寒川家にも、こちらの誠意が伝わったのだ。

ほどなくして、提携は動き出す――はずだった。

だが、契約書の詰めがまだ終わっていない。サインも済んでいない。つまり、最後の最後で確定していない、その段階で。

想定外が先に起きた。

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