第416章 鈴木南の行方

松本暉は少し離れた場所で、口元に薄い笑みを浮かべたまま、その一部始終を黙って眺めていた。

寒川政彦の問いかけは、表向きはただの礼儀――そう見えただけだ。

この場にいる誰もが分かっている。鈴木七海がわざわざF市まで足を運んだのは、寒川家との提携のため。

今回だけは、何が何でも寒川家との関係を盤石にしておく必要があった。

そして今、松本暉は寒川行雄に対して「命の恩人」を名乗れる立場にいる。その意味は、寒川政彦にとっても小さくない。

鈴木七海は、いかにも我関せずを装っているようで、実際はもう選択肢がない場所まで追い込まれていた。

松本暉の要求を断れない。

断れば、寒川政彦の顔を潰すこ...

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