第417章 急ぎすぎではないか

「つまり……松本暉が、おまえに提携を承諾させるために寒川行雄を攫った可能性が高い、ってことか?」

受話器の向こうで、佐藤奈須の声が重く沈んだ。

病床に背を預けていた彼は、その言葉を聞いた瞬間、全身にまとっていた気の緩みを失い、表情を硬くする。

短い沈黙ののち、佐藤奈須は鈴木七海を急かした。

「松本暉は狙ってる。おまえをF市に一人で残すのは不安だ」

「寒川家の契約はさっさとまとめろ。戻ってきたら状況を見て動く。松本暉の対策はそのとき考える」

鈴木七海は佐藤奈須と話を詰め、互いに同じ結論へ辿り着く。

今はまだ寒川家との関係を失えない。寒川政彦の機嫌を損ねるわけにもいかない。

寒川...

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