第422章 村上香奈が忽然現れる

佐藤奈須は苛立つように、鈴木七海のうなじへと唇を落とした。

絡み合う身体のまま、押しては退き、退いては押され――そのまま休憩室の扉の前まで追い詰められる。

七海の呼吸も長く、熱を帯びていく。両腕を奈須の肩へ回し、愛情のこもったキスに身を委ねた、その瞬間。

ピンポーン、と不意にチャイムが鳴った。

二人の熱が、いっせいに現実へ引き戻される。

「放っとけ」

掠れた声で言い捨て、佐藤奈須が片手でドアを押し開ける。

だが、鈴木七海がすぐに彼の腕を引いた。

「まだ会社よ。続きは家に帰ってからにして。万が一、用があって来てたらどうするの」

乱れた襟元を整え、恨みがましい空気をまとった奈須...

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