第429章 鈴木南の代償

佐藤奈須は鈴木南を連れて、寒川政彦のもとへ向かった。そもそも彼女に最初から最後まで事情を吐かせ、鈴木七海のために松本暉の件に決着をつける――そのはずだった。

ところが、いざという場面で鈴木南は急に手のひらを返し、知らぬ存ぜぬを決め込んだ。

「岳少、わかってますよね。あなたがさらわれたとき、わたしずっと助けを求めてたんです」

涙で瞳を滲ませ、嗚咽混じりに訴える。

「でも結局、わたしには何もできなくて……それで表に出られなかった。だから佐藤さんに疑われちゃって……」

寒川行雄の服の裾をぎゅっと掴み、涙を拭いながら続けた。

「それに、あなたの居場所だって、わざと漏らしたんじゃありません...

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