第433章 村愛美を海外へ送り出す

鈴木七海は即座に手を打った。

そして上村愛美の意向どおり、この件は誰にも知らせなかった。

佐藤奈須と聖生グループ、さらに鈴木七海の陣営が総力で後押ししたこともあり、話は驚くほど速く進んだ。

ほんの数日で、上村愛美は鈴木七海の段取りのもと、ひそかに退院する。

誰にも気取られないまま空港へ。

胸の奥がちくりと痛む。それでも鈴木七海は笑顔を貼りつけ、上村愛美の手をそっと離した。

「向こうはもう手配済みだ。何かあったら、すぐ連絡しろ」

「わかってる」

窓の向こうで滑走路を行き来する機体を見つめながら、上村愛美の声は明るさを帯びた。

「あっちに着いたら、全部やり直すの。いい報せ、いち...

ログインして続きを読む