第441章 山下真衣、海島へ向かう

村上香奈は、松本暉にじわじわと追い詰められていた。

動揺で頭が真っ白になる。視線は泳ぎ、手元にある鈴木七海の情報もたかが知れている。

そもそも、あの狂った女は鈴木七海など気にも留めていない。鈴木七海の名が出れば、いつだって露骨に不機嫌になるだけだ。

そのせいで、村上香奈の手にはもうこれ以上のネタが残っていなかった。

――それでも、松本暉の前で怯えを見せるわけにはいかない。

何度も考え直した末、甘い笑みを浮かべて、ふいに言った。

「いっそ、大きい取引をしない?」

松本暉は疑わなかった。

村上香奈の欲が膨らみ、これまでの小遣い稼ぎのやり取りでは満足できなくなったのだろう。そう踏ん...

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