第450章 絶境に陥る

定位装置は、もともと鈴木七海のふくらはぎに隠してあった。

ところが今、七海が何度もそこを探っても、指先に触れるのは空気だけだった。

どこにも――装置の感触がない。

顔色がわずかに変わり、ようやく表情が引き締まる。唇をきゅっと結んだまま、状況がよくないことだけが滲んだ。

そもそも鈴木七海が白崎敏也の前で平然としていられたのは、胸の内に「最後の切り札」があったからだ。

定位装置さえ生きていれば、佐藤奈須が自分を見つけるのは時間の問題――そう信じていた。

七海は一度、しばらく意識を失っていた。外でどれだけ時間が過ぎたのかは断言できない。

それでも体の感覚からして、少なくとも数時間は経...

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