第454章 名医が間に合って現れる

佐藤奈須と鈴木七海がそろって口を開いたことで。

解毒剤の準備は、一気に本格稼働へと入った。

当初の計画では、解毒剤も手術手順も、あの一連のデータがあるおかげで格段に簡略化できるはずだった。

これまでいちばん困難だった工程が、むしろいちばん簡単になった――そんな皮肉な話である。

一方で、本来いちばん時間を食うのは実験工程だった。

あらゆるリスクを洗い出し、手順の細部から想定外の事態まで、抜かりなく潰し切る。そこまでして初めて、鈴木七海に適用できる。

だが今は、鈴木七海自身がその工程を強く拒んでいる。

彼らは急ピッチで事前準備を整え、いつでも手術に入れる状態にした。

手術前には、...

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