第470章 友人を利用する俗人

浅海武治が上村愛美に明確な好意を示して以来——。

テーブルの空気が、ふっと気まずくなった。

鈴木七海は一瞬考えると、何気ないふりをしてグラスの酒をスカートにこぼした。困ったように笑いながら言う。

「ごめんね、愛美ちゃん。トイレでちょっと直したいんだけど、付き合ってくれる?」

それから浅海武治へ、申し訳なさそうに視線を向ける。

「浅海さん、少しだけお待ちいただけますか」

そう言って、ほっとした顔の上村愛美を連れ、席を離れた。

二人が手を取り合って角を曲がり、浅海武治から完全に見えなくなった瞬間、上村愛美は振り返って確認し、深く息を吐く。

「……ふぅ」

ためらいがちな声で続けた...

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