第473章 子供ができた

二人がいい雰囲気で話していた、その次の瞬間――鈴木七海がソファへ崩れ落ちた。

全身は汗でぐっしょり、眉間の皺は刻まれる一方で、顔から血の気が引いている。

これまで何度も見てきた毒の発作とは、明らかに違う。

むしろ……。

佐藤奈須の脳裏に、上村愛美が胎動を訴えたときの姿が閃いた。自分の発想にぞっとして、背中に冷や汗が走る。彼は我を忘れて鈴木七海を抱き起こした。

「しゃべるな。今すぐ病院に連れていく」

佐藤奈須の顔色も真っ青だった。手の震えを抑えようとしても、思うようにいかない。

薄い唇は一直線に結ばれ、顎は鉄のように硬い。道中で信号を三つも無視し、鈴木七海を胸に守るよう抱いたまま...

ログインして続きを読む