第481章 逃走に成功

病室には、上村愛美の苦しげなうめき声がまだ途切れずに響いていた。

その一方で、本来なら静かにベッドに横たわっているはずの村上明慶は、驚くほど顔色がいい。危険な状態など、とっくに脱していた。

本来なら喜ぶべきことなのに、鈴木七海はどうしても笑えなかった。

まして、村上明慶を祝う気になどなれるはずもない。

胸の奥から一気に怒りがせり上がり、彼の言葉をさえぎるように、七海は冷えきった声で問いただした。

「自分がひとり意識不明のままでいたせいで、黒田星奈が何をしてきたか……あなた、わかってるんですか?」

この数日、黒田星奈の振る舞いは目に見えて増長していた。村上明慶がそれを知らないはずが...

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