第484章 実験室の真の主人

 安保要員の怒鳴り声が飛んだ、その瞬間。

 立ち止まったのは佐藤奈須と鈴木七海だけじゃない。周囲の人間まで一斉に視線をこちらへ寄こし、疑い半分、警戒半分といった目で値踏みしてきた。

 別の安保もぞろぞろ集まり、あっという間に距離を詰めてくる。

 村上佳行は不満げに眉をひそめたが、表情は崩さず言った。

「こいつらは俺の助手だ。時間を無駄にするな」

「申し訳ありません、村上さん。規定ですので確認させてください」

 口調こそ丁寧だが、引く気配はない。数人が瞬く間に佐藤奈須と鈴木七海を囲い込んだ。

 村上佳行までも、もう一度身分証の提示を求められた。苛立ちは隠しきれず、眉間の皺が深くな...

ログインして続きを読む