第486章 単独で中村健に会う

松坂利之の到来で、研究所は嵐の海に浮かぶ孤島と化した。

部下たちが施設を制圧すると、雪崩れ込むように内部へ突入し、あっという間に管理権限を握る。ほどなくして鈴木七海の目に入ったのは、束になって連行されてくる職員たちの姿だった。

七海は胸の奥がひくりと動き、入口から視線を外さない。

案の定だ。中村健も逃げ切れず、松坂の部下に挟まれて外へ引きずり出されてきた。乱暴な扱いのせいで服は崩れ、顔つきもどこかみすぼらしい。

その中村が、待ち受ける七海を一目見るなり、目を見開いた。ほんの一瞬で状況を飲み込んだのだろう。

「……おまえか」

中村は薄気味悪い笑みを浮かべ、七海をねっとりと見据え続け...

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