第487章 三人修羅場

会社に寒川行雄の姿はなく、寒川家との提携も、塩浦正美が何か想定外の目に遭った様子はなかった。

山下真衣がわたしを呼び戻したのは、ただ佐藤奈須がわたしを戻したかったから――それだけだ。

鈴木七海は一瞬で真相に辿り着いた。

気づいた途端、彼女は何も言わずに踵を返し、そのまま自分のオフィスへ戻る。誰にも聞こえないため息が、ふっと漏れた。

「鈴木社長、この件は……私が悪かったです」山下真衣が追いかけてきて、誠実な声で言う。「罰を受けます」

「下がれ」

鈴木七海は手をひらりと振っただけで、それ以上は語らなかった。

わかっている。佐藤奈須の指示で山下真衣が動き、二人で口裏を合わせて自分を騙...

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