第493章 村上明慶の命は長くない

鈴木七海と佐藤奈須は、そう信じていた。

松坂利之があの研究室を憎み抜いている以上、小川和真を放っておくはずがない。もしかしたら、奴の手には最新の手掛かりがあるかもしれない――。

だが、松坂利之から返ってきた報せは、二人の期待をあっさり踏み潰した。

「残念だが、一度は小川和真の線を掴んだ。……だが、また逃げられた。今度は完全に消えた。現時点じゃ、痕跡は何もない」

鈴木七海と佐藤奈須は視線を交わし、胸の底がひやりと沈むのを感じた。

いま、この瞬間にこそ小川和真が必要なのに、肝心の本人が姿をくらます。どう考えても不自然だ。

鈴木七海の脳裏に、裴修宁の影がよぎる。裏で糸を引いているのでは...

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