第498章 小川和真を捕まえる

浅海武治はひと足先にその場を離れ、浅海毅士は引き続き後を追っていた。

鈴木七海はその場に残り、息を潜めて機をうかがう。手には、人間を一瞬で眠らせられる薬剤の入ったシリンジ。小川和真を連れ出す準備は、すでに整っていた。

ほどなく小川和真が身を翻し、意識を実験へと戻す。

背後で、実験室の扉が音もなく開いたことにも気づかないまま。

入ってきた鈴木七海は、針先を高く掲げた。

狙いは正確。ためらいもない。針は小川和真のうなじへと突き立つ。

「……っ」

小川和真は短くうめき、異常を悟った。反射的に、手元の実験データを消そうとする。

だが、薬剤は鈴木七海が小川和真と黒田星奈の機材から抜き取...

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