第524章 最後の母娘の情分

鈴木七海はひとつ感慨を漏らすと、振り返って山下真衣の忠告に礼を言った。

そして佐藤奈須と合流し、帰社する準備を整える。

そのときだった。鈴木七海の携帯が再び鳴る。今度の相手は裁判所だった。

担当者は淡々と告げた。黒田星奈の公判準備が整ったこと、そして中村健が前回の裁判で敗れた影響が、共犯と見なされる黒田星奈にも及んでいることを。

中村健の罪状が明るみに出れば出るほど、共犯である黒田星奈に向けられる追及も重くなる。具体的な影響は法廷で明らかになるが――今回の審理で、黒田星奈の判決がほぼ確定する可能性が高いという。

その時点で、黒田星奈は逃げ場を失う。

鈴木七海はしばし黙り、問い返し...

ログインして続きを読む