第79章 その瞬間のときめき

 プライベートルームに戻ると、櫻井祐一が誰かと高らかに語らっていたが、相槌を打つ者は誰もいなかった。

 鈴木七海がドアを開けて中に入ると、佐藤奈須がその後ろに続く。まるで彼女を守る守護者のようだ。そして二人の後ろからは、さらに数十名のボディーガードがプライベートルームへと流れ込んできた。

 一瞬、何が起こったのか分からず、その場にいた者たちの視線が一斉にそちらへ向かう。ただ櫻井祐一だけが、心臓がどきりと跳ねるのを感じていた。

 彼はソフトウェアを閉じようとしたが、その動きよりも早くボディーガードたちに床へ押さえつけられ、まったく身動きが取れなくなってしまった。

 頭を固い床に強く押し...

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