第21章 もう甘いミルクを飲まない

退社時間になると、桜井美也はオフィスに入った。彼女は同窓会に参加する予定があり、早めに退社しようとしていた。

オフィスに入ると、池下誠がまだ残っているのを見かけ、礼儀正しく声をかけた。「社長、もう時間ですので、退社します」

池下誠は立ち上がり、一歩一歩桜井美也に近づいてきた。その目は冷たく、桜井美也は胸の中で不安を感じた。

「社長、何をするつもりですか?」桜井美也は探るように尋ねた。

池下誠は冷たく笑った。「退社後にそんなに積極的なのは、何か用事があるのか?」

「少し用事がありまして」桜井美也は答えた。

「どんな用事だ?」池下誠はさらに問い詰めた。

桜井美也は一瞬ためらった。「...

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