第22章 片思いの相手

上杉深は包厢のドアを押し開け、桜井美也がその後ろに続いて入ってきた。部屋の中はすでに人でいっぱいで、笑い声が絶えず、皆がしばらく待っていたことがうかがえた。

「おや、上杉社長が来たぞ!」眼鏡をかけた同級生が最初に彼らの到着に気づき、すぐに立ち上がって迎えた。他の人たちも次々と振り返り、上杉深と桜井美也に視線を向けた。

「今日は珍しいお客さんも来てるね、桜井美也も一緒だ」

「桜井美也、君はなかなか顔を出さないね。上杉深がいなければ、君に会うのは難しいだろう」

「でも、桜井美也は相変わらず綺麗だね」

他の人たちも次々と同意し、桜井美也に視線を注いだ。桜井美也は少し居心地が悪そうだったが...

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