第109章

祖母の葬儀は、すべて水無瀬柚季が一人で取り仕切った。式は三日後に執り行われた。

 会場は、ひっそりと静まり返っていた。

 水無瀬家にはもう、付き合いのある友人など残っていない。ましてや父が収監された今、訪れる者といえば、義理で果物を供えに来る近所の住人くらいだった。

 ずっと柚季に寄り添っていたのは、雨宮澪ただ一人だ。

 澪は柚季がショックで押し潰されてしまうのではないかと案じていたが、柚季は取り乱すこともなかった。澪が危惧していたような事態は、何一つ起こらなかったのだ。

 泣き崩れることも、絶望に打ちひしがれることもない。

 そのあまりの冷静さが、かえって澪を不安にさせた。

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