第163章

生きろ……。

 誰もが彼女に、そう訴えかけているようだった。

 誰もが、彼女の命が突然途絶えてしまうことを恐れている。

「もういい、その話はやめだ。ゆっくり食べてくれ。今日は家で宴席があるから、あまり長居できないんだ。そろそろ帰るよ」

「うん、気をつけて」

 叢雲柚斗は足早に帰宅した。

 玄関を開けるなり、目の前に叢雲月が立っていた。

「お前、外に突っ立って何してるんだ?」

 月が問い詰める。

「どこに行ってたの?」

「ちょっと野暮用だ」

 柚斗はそそくさとリビングへ向かおうとしたが、すれ違いざま、月に手首を掴まれた。

「教えてよ。誰に会ってきたの?」

 この大雪の...

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