第172章

ここ数日、天気はひどく荒れ模様で、断続的に雪が降り続いていた。

 街全体が銀色の衣装をまとったかのように染まり、気温も急激に冷え込んでいる。

 そのせいか、夜になると通りを行き交う人々の姿はまばらだった。

 鷺沢雪紘は叢雲司からの電話を受け、指定された場所へと向かった。両社には提携プロジェクトがあり、契約書にサインをした後、そのままレストランで食事をすることになったのだ。

 食事が終わる頃には、二人は互いに満足げな表情を浮かべていた。

 年齢差こそあれど、言葉を交わすうちに、考え方や見解において驚くほど息が合うことがわかったからだ。

 この会食は、双方にとって実りのあるものとなっ...

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