第182章

「いいえ」

 水無瀬柚季の即答だった。考える素振りさえ見せない。

 叢雲柚斗はふん、と鼻を鳴らした。

「嘘だね」

「嘘なんてついてないわ」

「思考のプロセスさえ経ていない。それはつまり、君の中で答えがとっくに決まっているということだ。その答えが真実かどうかなんて関係ない。重要なのは、それが『君の欲しい答え』だってことさ」

 水無瀬柚季は微かに唇を引き結んだ。

「実のところ、僕たちは必ずしも元のレールの上を歩く必要はないんだよ。視点を変え、選択を変えれば、未来だって変わるかもしれない。人生は長いんだ。いろんな道を試してみるのも悪くない。そうは思わないかい?」

「いつからそんな哲...

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