第186章

鷺沢雪紘は引き出しの中から、例の漫画本を取り出すと、それを光の手に渡した。

「週末だからって、夜更かしはだめだよ」

 光は素直に頷いた。

「うん。十時までには寝るって、パパと約束したもん」

 鷺沢雪紘は娘の小さな頭をぽんぽんと撫でた。

「行きなさい」


 朝食を終えた水無瀬柚季の元に、『腹は風で満たさない』からメッセージが届いた。

『腹は風で満たさない』:いつかお会いできませんか?

『光思い』:最近は国内にいるから、いつでも大丈夫ですよ。

『腹は風で満たさない』:本当ですか! ちょうど今日、仕事が休みなんです。新しくできたカフェがあるんですけど、コーヒーがすごく美味...

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