第193章

「それは、よくないと思います」

 水無瀬柚季は瞼をぴくりと震わせつつも、努めて冷静さを装って言った。

「監禁は犯罪です。それに、お子さんのお母様が戻らないのには、きっとっぴきならない理由があるはず……彼女の意思を尊重すべきです」

 付き合っていた頃から、鷺沢雪紘の独占欲は常軌を逸していた。

 彼は骨の髄まで執着心が強い男だ。

 かつて彼は言ったことがある。

 もし二人が別れる日が来ても、絶対に手放さない、と。

 一生、君に付き纏ってやる、と。

 当時はそれを甘い愛の言葉だと思っていたが、今となっては厄介事以外のなにものでもない。

 柚季は無意識のうちに、マスクの上から口元を...

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