第200章

 早朝。

 帰り道、鷺沢雪紘は車を走らせ、水無瀬柚季を送っていた。

 車内は重苦しい沈黙に包まれていた。車が止まると、鷺沢雪紘は車を降りてトランクから車椅子を取り出す。だが、水無瀬柚季はすでに自力で降りていた。

 彼は彼女が車椅子に座るのを支えた。

「足は……」

「お医者様には、完治まで長い時間がかかると言われていて。だから普段は無理をしないように、車椅子を使っているの」

 水無瀬柚季はうつむき、膝にブランケットを掛け直す。

 鷺沢雪紘は彼女の伏せられた睫毛を見つめ、淡白に答えた。

「中まで送ろうか」

「いいえ、大丈夫。ありがとう」

 車椅子がリビングに消えるまで見届けた...

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