第201章

会社に着くや否や、椎葉櫂は真っ先に鷺沢雪紘の異変に気づいた。

「病気か?」

「いや」

「自分のツラ、見てみろよ」

 椎葉櫂はスマホのインカメラを起動し、鷺沢雪紘の顔の前に突き出した。

 画面には、端整だが血の気のない顔が映し出されている。

 鷺沢雪紘は眉をひそめ、冷ややかな表情で画面を見つめた。普段鏡などろくに見ない彼は、自分がこれほどまで人を拒絶するような表情をしているとは気づいていなかった。

 彼は沈思黙考した。

「やっと自覚したか。そんな状態で会社に来てどうするんだ? さっさと病院に行け」

 すると、鷺沢雪紘が不意に言った。

「……彼女、怖がるかな?」

 自分でも...

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