第206章

「何をしてるの!」

 遠野望の金切り声が静寂を引き裂き、それまでの温かな空気を一瞬にして打ち砕いた。

 周囲の視線が一斉に突き刺さる。

 遠野望は怒り心頭といった様子で詰め寄ると、叢雲柚斗の胸倉を掴んで強引に引き剥がそうとした。だが、叢雲柚斗は彼女の手を振り払い、その顔を冷ややかに見据えた。

「気が狂ったのか?」

「狂ってるのはそっちよ!」

 遠野望は歯ぎしりし、指先を水無瀬柚季に突きつけた。

「この女、足が不自由なうえに、たかが漫画描きじゃない! どこが良くてこんなのを選んだのよ? あなたに釣り合うわけないわ。こんな女に時間を無駄にするなんて信じられない!」

 その暴言に、...

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