第207章

辺りが闇に包まれ始めた頃、丛云柚斗は水無瀬柚季の車椅子を押して芝生の上へと現れた。その背後には鷺沢雪紘と椎葉櫂が続く。

 遠野望は少し離れた場所からついてきていた。

 相変わらず、陰鬱な顔色だ。

 彼らの姿を見た同僚たちは、顔を見合わせ、気まずさと野次馬根性が入り混じった複雑な表情を浮かべる。

 このドロドロとした三角関係、気にならないはずがない。

 あわよくば、この後修羅場が見られるかもしれない――そんな期待すら漂っている。

 だが、それはあくまで外野の勝手な想像に過ぎない。当事者たちは至って冷静だった。

 遠野望もまた、特に騒ぎを起こす様子はない。

 丛云柚斗は焼きたての...

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