第212章

今日の食事は、ひどく静かに進んだ。

 鷺沢雪紘と叢雲柚斗は、もはや密かな張り合いを見せることもなく、二人はまるで示し合わせたかのように休戦状態に入っていた。食事が終わると、夫人が水無瀬柚季の手を引き、部屋へと連れて行った。

 三人の男たちは、リビングに残ってコーヒーを飲むことになった。

 夫人は一冊のアルバムを取り出した。

「見てちょうだい。これがうちの家族写真よ。これが息子で、こっちが娘……でも二人とも今は外で学校に通っていて、滅多に帰ってこないの。帰ってくるたびに、山のようなお土産を持ってくるのだけれど」

 アルバムの中の一家は温かく、調和が取れており、全員が幸せそうな笑みを浮...

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