第220章

鍵を取り出した瞬間、水無瀬柚季は呆然と立ち尽くした。

玄関は電子錠だったのだ。

鍵など、端から必要なかった。

背後からお手伝いさんの声がした。

「水無瀬さん、どうして私の家の鍵を持っていらっしゃるんですか?」

水無瀬柚季は極まりの悪い思いをした。

彼女は目を閉じ、深く息を吸い込むと、振り返って鍵をお手伝いさんに返した。

「ごめんなさい、間違えたわ」

水無瀬柚季は平静を装って部屋に戻った。

お手伝いさんはその場に立ち尽くし、掌の鍵を呆然と見つめていた。

何かがおかしい。そう感じた彼女は、鷺沢雪紘に電話をかけた。

「先生、たった今、水無瀬さんが私の鍵を持ってドアを開けようと...

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