第222章

「あなたに、そんな力があるの?」

 水無瀬柚季は答えずに問い返した。

 鴉城咲夜は自信たっぷりに言い放つ。

「当然よ。今、あなたを助けようとする人間なんて私ぐらいだわ。椎葉櫂も私の兄さんも、鷺沢雪紘を裏切るような真似はしない。ここから出たいなら、私にすがるしかないのよ」

「あなたは彼を裏切らないの?」

「これは裏切りじゃないわ。彼のためなの」

 水無瀬柚季が失踪していた二年間、鴉城咲夜は鷺沢雪紘が日ごとに精気を取り戻し、良くなっていくのを目の当たりにしてきた。

 たとえ彼がずっと孤独だったとしても。

 彼女にとっては、それが好ましかったのだ。

 彼は高潔で、孤高の存在である...

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