第225章

光は小さな弾丸のように、鷺沢雪紘の懐へと飛び込んだ。

「パパ、ただいま!」

 鷺沢雪紘はしゃがみこんで娘を抱きしめると、目の前に立つ雨宮澪に視線を向けた。

 だが、言葉は娘に向けられたものだ。

「木下矢にお前を迎えに行かせたはずだが、どうしてここへ?」

 彼は多くの不動産を所有している。

 サマーキャンプから戻った娘を、水無瀬柚季に会わせるつもりなど最初からなかったのだ。

 少なくとも、水無瀬柚季に約束を取り付けるまでは、二人を会わせるわけにはいかなかった。

 しかし光は彼の肩越しに、ソファに座っている水無瀬柚季の姿を見つけてしまった。

 とたん、興奮した声が響き渡る。

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