第227章

 水無瀬柚季は、ようやく違和感の正体に気づいた。

 鷺沢雪紘は彼女の言葉に一切答えない。会話そのものが成立していないのだ。

 柚季も口を閉ざし、鷺沢雪紘の接近を拒絶し始めた。足が不自由な彼女に彼を力ずくで止めることはできないが、無視することならできる。

 無視という行為は、時に人を狂わせる。

 少なくとも鷺沢雪紘にとって、柚季に空気のように扱われることは耐え難い苦痛だった。彼は柚季の顎を掴み、強引に自分の方を向かせた。

「そんなに俺が憎いか?」

 柚季は淡々と言った。

「言わなくてもわかっているはずでしょう」

 雪紘は自嘲気味に笑う。

「俺が憎いのはいい。だが、光を利用する...

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