第240章

「次はどうするつもりだ?」

「何もしないわ」

 佐藤恵は彼を一瞥し、冷ややかに言い放った。

「今は動くべき時じゃない」

 帰国早々、水無瀬柚季に何かあれば、お爺様は間違いなく自分の仕業だと疑うだろう。

 自分で自分の首を絞めるような真似はしない。

 男は感嘆のため息を漏らした。

「よく我慢できるな。自分が積み上げてきた努力が水の泡になってもいいのか?」

「彼女のことは評価しているの。能力はあるわ」

 だが、それだけだ。

 争う価値があるかと言えば……今日顔を合わせただけで、佐藤恵には相手に野心がないことが見て取れた。率直に言えば、恐れるに足らない存在だ。

「鷺沢グループ...

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