第13章 安物のシフォン生地と変わらない

デザイン部の会議室。西園寺希美のチームは、長いテーブルを囲んでいた。

彼女の指先がリストに記された素材の名称をなぞる。その声には、抑えきれない高揚感が滲んでいた。

「『スターライト』のメインとなる生地が倉庫に届いたわ。アマルフィアから空輸したシルクサテンよ。照明の下で、まるで銀河のような光の屈折を見せるはず」

「特注のスターライト照明も調整済みです。オープニングで流星が流れる演出が入ります」

「モデルの最終リストも確定しました。全員ショーの経験者で、オーラも申し分ありません」

西園寺希美はチームメンバーの瞳に宿る情熱の光を見て、思わず口元を緩めた。

「スターライト」。それは彼女が...

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